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「つまり、こういう事ですか?はじめ、秋元康を嵌めたのはさっしーだった?そして、その裏にあったAKBを自分の思うがままに動かしたいという気持ちを吉本がうまく利用してる…?じゃあ、吉本の本当の狙いは何なんですか?もし、さっしーの思う通りAKBを自らの傘下に収めて今後やっていきたいというなら、SKEはある意味最重要ポイントでしょう?それを、あんな風にしたら、メンバーだけじゃない。SKE自体の存在すらできなくなってしまう。」
若林が言う。どうにも納得できない表情だ。
無理もない。半沢だって、今回の件の裏にあったどす黒い策略の全容が掴めかけて来た今でも、行き場の無い感情に襲われているのだから。

「それに、解決できていない問題が多すぎます。部長…このままじゃ、明後日の記者会見で小林社長と一緒に解任が発表されちゃいますよ。それに…」
「ああ、ウチが非を公式に認めるんだ。検察だって黙ってないだろうな。AKS側も逮捕者が出るだろう。ライブドアの時と同じだよ。ただ、一つ違うのは、AKSは最悪ここまでの事態を予想して、人身御供を用意してたって事だな。窪田と…あと湯浅、仲俣さん辺りが逮捕されて話は終わりって事になるんだろうな。」
「湯浅さんって…あの人、全然今回の件から外されてたじゃないですか。そもそも実務には全然関わっていなかったし、実際何も知らなかったでしょう?ただ単に公開準備室長って肩書だけで。仲俣さんは仕方ないにしても…」
「大方、湯浅は最初からスケープゴートにするつもりであのポジションを与えられていたんだろうな。だから、公開直前の経営会議で反旗を翻していながら、今も営業推進部とかいう訳のわからない部署で部長という役職に座っている。もっとも、部長一人で部下は一人もいない、何の仕事もない部署だけどな。」

「くっそう…どこまで用意周到なんだ。それに、部長。SKEのメンバーはどうするんですか?確かに、半ば詐欺のような契約だ。しかし、契約は契約です。本人と未成年は親のサインアップが為された書類は無効にする事は無理ですよ。これはもう、全員に自己破産させるしかないでしょう。それしか方法が見つからない。」
「若林。彼女達の中には、将来自らビジネスをしたい…そんな風に考えている者もいる。高柳さんのように、念願だったマイホームの資金にした者もいる。向井さんもそうだ。苦労かけてる親御さんに新車をプレゼントした。自己破産となると、それら彼女達の純粋な思いも全て泡になってしまうんだぞ。彼女達が浪費をして作った借金ならそれもやむを得ないだろう。しかし、そうではない。彼女達はただ、世の中には鬼畜よりも恐ろしい事をする、生身の人間がいるという事を疑いすらしなかっただけだ。そして、それが自らのもっとも信頼すべき大人達だったというだけなんだ。」

「しかし、どうするんですか?AKSへの返済期限までもう数週間。それが来たら、債権は自動的に吉本に移る。そうなったら、彼女達は…」
「わかってる。だから、今日来てもらってるんだ。」
「来てもらってる?誰にですか?」
「エース・イン・ザ・ホール…最後の切り札だ。いや…エースよりも強い…」
「エースよりも強い?」
「ああ。エンジェル・イン・ザ・ホールだ。彼女達と一緒に明日AKSに乗り込むぞ。あの時と、ほぼ同じメンバーが集まるんだ。」
「エンジェルって…一体誰なんです?」
「丁度来たようだ。」
会議室のドアがノックされた。

「こんにちは。失礼します…」

現れたのは、松井玲奈と須田亜香里だ。
シックなスーツに身を包みながらも、その場の空気が一瞬で明るくした。
これが、きっとトップアイドルが身に纏う空気なのだろう。

半沢が笑顔で二人を出迎えた。

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