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「玲奈さん。ちょっといいですか?」
「あれ。さや姉。どした?今日は泊まりなんだっけ?」
「はい。ウチは明日もコッチで握手会なんで。」
幕張メッセでの個別握手会。昼の部の休憩時間、SKEの楽屋で昼食を何にしようか迷っている松井玲奈に山本彩が声をかけてきた。
「コッチって…あ、そっかNMBのシングルのね。そういや、ウチも来週はダブルヘッダーだったなぁ。」
「今更…ですけど、やっぱこの状態ってこのまま変わらないんでしょうね。玲奈さん、なんか最近もうええわって思ってまう事が多ぅなって…」
「どうしたの?さや姉がそんな事言ってちゃダメじゃない。」
「ええ。こないな事、絶対メンバーの前では言いません。特にみるきーの前とかでは。あのコ、あれでエライ怖いとこあるんで。」

このまま変わらない…か。さや姉の言う事も良く理解できる。
ひょっとしたら私達よりもNMBの方が事態は深刻なのかもしれない。
例のIPOの時期から、特にNMBの立場という物が微妙になり始めた。株式を公開したのはAKS。所属メンバー及びグループのメイン運営はあくまでもAKB、SKE、HKT。吉本興業のマネジメント配下にあったNMBはそのスキームから外されていた。それでも、秋元康がプロデュースを手放さなかった事もあってなんとなくそのまま「48G」の一員として扱われていた。

「んで、どした?さや姉がそんな風に、ちょっといいですか?なんて言って来る時は、ちょっとじゃない大事じゃないかって思っちゃうんだけど。」
「もう。玲奈さんにはかないませんわ。あのですね…」

「え?どういうこと?それって、クーデター?」
「いや、そうやない思います。ただ、はっきりと“とうとう秋元先生も年貢の納めどきか”って。ウチの金子さんと吉本のエライさんが話してたんで。」
「う~ん…さや姉が直接聞いたわけじゃないでしょ?良くある噂話じゃ。それか、さや姉も知ってるよね?例の株が公開される云々の時のすったもんだ。あの時みたく変な話とか。」

ひそひそ話をしてるはずが、二人の声が段々大きくなっていく。表情にも緊張感が見えはじめた。難波と栄のトップ二人が難しい顔をして密談をしていとなると、周囲も気にならない訳がない。周囲の視線が二人に集まり始めたが、話に夢中の二人は気づく事なく「密談」を続けた。


「でも、よう考えてみたら、秋元先生って完全にやる気無くしてますよね?気づいてます?玲奈さん。」
「もうさや姉、ストレートだなぁ。普通、そう思ってても言っちゃいけない事ってあるんじゃない?まあ…仕方ないけどね。」
「大体、株がどうだこうだって、ようわからん話ばっかやないですか。秋元先生から伝わってくる話って。絶対間違いないですって、新公演からシングルから何から、アレ全部別の人が書いてますって。」

「え?そうなんですか?」
二人の背後から素っ頓狂な声が聞こえた。
「こ…こら。茉夏。しーっ。」
いつの間にか、数人のメンバーが二人を取り囲んでいた。
「ごめんなさい…でも、つい…びっくりしちゃって。」
「ええですよ。もう、可愛いから何でも許しちゃいますわ。ね、玲奈さん。でも…なんや、ひそひそ話って訳にはいかなくなりましたね。」
「でも、私その話知ってますよ。」
そう口を開いたのは、大矢真那だ。
「真那、誰に聞いたの?」
玲奈が意外な顔をして聞く。
この手に話に余り興味なさそうな大矢の言葉に、回りも同じような反応だ。
「えー、誰って、さや姉、NMBでは結構噂になってるんでしょ?私は城ちゃんに聞いたけど。」
「ホンマですか?城まで知っとったとは思わんかったですわ…」

ふぅ…またか…
いつになったら、私達は自分達の夢だけを追いかけていればいいって思えるんだろうか?
もちろん、窮屈な時もあるけど、夢を追いかける事が出来る環境にいれるって事は、それだけで幸せな事なのだけど。

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