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「おう半沢。元気か?」
自席の荷物を片っ端から段ボールに突っ込む作業をしていた半沢直樹の肩越しに声をかけてきたのは渡真利忍だ。
「元気に見えるか?」
半沢はその声の方を見ずに答えた。
「…だよな…納得出来ないよな…俺も、わか…」
渡真利は参ったな…といった風に口を軽くとんがらせる表情をした。

「おい、渡真利。まさか、俺が失意のどん底に落ちてるって思ってないか?」
「あ…いや、そうだよな。まさか、お前がこんな事でな…」
振り向いた半澤の表情が
意外に明るかったので渡真利は少しほっとした。
「お前ならきっと戻ってこれるさ。東京セントラル証券は、子会社といってもウチのグループでは中核の位置づけだ。なあ、半沢。」
「中核…か。」
半沢は意味ありげな笑みを渡真利に向け再びデスクの中身を段ボールに詰め始めた。殆どがシュレッダーにかける資料だ。


いったんは「復讐劇」を大団円に持ち込み、その功績を頭取に認められる事になるはずの半沢の処遇は「関連会社への出向」という思いもかけないエンディングで幕を下ろした。一瞬事態を飲み込めなかった半沢だが、改めて考えてみると頭取の中野渡の取った手は理解できるものであった。それは、とにもかくにも、半沢自身の力を銀行トップ立つ者としての立場をもってしても脅威であると評価されての事なのだから…

そう自分に言い聞かせでもしなければ、どうやら俺は立ち上がる事すらできないのかもしれないな…
半沢は誰にも知れないよう口元を歪めて笑った。

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