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ちょっと冷静に考えてみるんだ。

今の状況…どう考えたって理解や納得は出来ないけど、一つだけはっきりしてる事は今が2013年ではなく2005年だって事。どうしてこうなったか?は多分考えても私の頭じゃ無理だ。そして、大事なのは…多分、そんな事じゃない。これからどうすればいいのか…だ。

「ちょっと何そんなトコに突っ立ってるの?部活何時から?早くご飯食べちゃってよ。」
「ん。1時から。分かってるって。もう時間無いから行くよ。」
「行くって、ご飯は?食べてかないと倒れちゃうよ。今日も暑いんだから。」
「大丈夫。」

島田はバタバタと夏服の制服に着替え、大きめのスポーツバッグを抱える。2本入りのラケットバッグを肩から下げて外に飛び出した。・・・・今日の部活は1時から…部活に行く時は夏休みでも制服を着る事。うん…この2005年の今日、私は何をどう行動しなくちゃいけないかって事がちゃんと分かってる。今日は新人戦のレギュラーが発表される日だ。多分、3年生が引退した後の新チームで私は一人1年生からレギュラーに選ばれるんだ…そんな事も今の私は知っている。

とにかく…まずは今の状況。自分の中の遠い記憶と今日これから起きる事を照らし合わせてみるんだ。

タイムスリップ…

漫画や小説の中の事なんかじゃない。島田は知らず知らずのうちに胸がときめいてくるのを感じていた。おもしれー。もし…この2005年から人生をやり直せるんなら…やりたい事はヤマほどある。前の人生を後悔してる訳じゃない。あれはあれで刺激的な人生だった。でも…もし…もし、この2005年の今が、私の知ってる2005年に戻っただけのものだったら…これから何が起きるのかが私にはわかる。だったら、どこでどうすればいいのか…もっと上手く2013年を迎える事だって出来るはずだ。

「っーっす!」
運動部独特のちょっと乱暴で変わった挨拶の言葉を発して島田がテニス部の部室に入っていった。
「っーっす!」
そこには懐かしい顔があった。同級生や一つ上の先輩。島田は違和感無く徐々に2005年の日常に身を馴染ませていった。真夏のテニスコートでの練習はキツかった。頭の中のイメージよりも身体は動かない。ラケットが重く感じる。そりゃそうか。頭の中は大人でもこの身体は中学生に入ったばかりのもの。まだ子供のものなんだから。

それでも、島田の打つボールは相手コートに次々に突き刺さっていく。2年生の先輩も私のパッシングショットに振りまわされている。パワーが無くとも高校まで続けていたテニスのスキル・テクニックは頭の中にインプットされているんだ。相手にならないのも無理はない。

「島田、何か一皮むけたか?フォームも見違えるほど良くなったぞ。」
「ざっす!」
コーチの驚いたような顔に島田が笑顔で答える。周りのチームメイトも驚きの顔を隠せないのが分かる。

一日の練習が終わった。予定通りレギュラーにも選ばれた。大丈夫だ。今は…私の知ってる2005年だ。
「ごめんね、今日家の手伝いしろってうるさく言われてて。」いつものように駄菓子屋に寄っていこうという仲間に断りを入れて島田は急いで部室を出た。そうだよ。2005年…秋の新人戦か・・・・多分出れないな。やらなきゃいけない事があり過ぎる。

これはチャンスなのか?
そうだ。チャンスだ。チャンスの順番はきっと色んな形でやってくるんだ。
こんな突拍子もない形でも。

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