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76.




東京ディズニーリゾートの周囲を周回する最後のスプリントを制したのは、宮崎美穂だった。第5ステージと同じような展開の中、宮崎は佐藤亜美菜から、大場美奈が島田から発射されラストのスパート合戦となり、最後は宮崎が頭一つの差を守った。島田は3位。佐藤がポイントリーダージャージに敬意を表しゴールを譲ると、観衆からは大きな拍手が響いた。

ポディウムの上に3賞のジャージ姿の3人が上がった。黄色のジャージは須田、グリーンジャージは島田、水玉のジャージは渡辺が。3人とも初めてそのジャージに袖を通す栄誉に身体を震わせていた。須田の顔は涙と笑顔でくしゃくしゃだ。島田はまるで自分がその場にいる事が夢のように口をぽかんと開けたまま、渡辺は微かに微笑みを浮かべ観客に静かに手を振っている。

「おつかれ。」
その姿を優しい笑顔で見守っていた大島の横に前田敦子が立った。
「ん、ありがと。あぁ~あ、やっぱあそこは派手でいいなぁ」
「でも…去年あそこにいた時より今の方が嬉しそう。」
「え?去年見てたの?ヨーロッパにいたんじゃ?」
「テレビでね。」
前田は舌を出して笑った。
「来年…サクソバンクだって?」
「耳が早いねえ~そっか、あっちゃんは最初からランスの企みを知ってたんだよね?」
「まあね。でも、まさかサクソバンクとは思いもしなかった。」
「ね、優子、お願いがあるんだけど。」
「何?何でも言って。」
「私のジャージの背中にサインしてくれない?」
「サイン?いいけど…なんか変な感じだね。」
大島が前田からサインペンを受け取った。前田が背中を向ける。
「あれ?他にもサインがあるじゃない。え…っと。島田…晴香…渡辺麻友、仲谷明香…何?みんなからもらってるの?」
「将来価値出るかなって思って。でも、ほら、真ん中は空いてるでしょ?」
「あっちゃんって…やっぱ変わってる。」

大島は空いている前田のジャージの真ん中にひときわ大きくサインを書いた。

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