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46.


茶臼山の1級山岳をトップで通過したのは仁藤萌乃だった。板野・峯岸の3人で終始ペースを保ち後続との差を広げていっていた。ここからは一気に下って行く。道幅が狭くタイトなコーナーが続く危険なコースだ。板野・峯岸はそれほど下りが得意ではない。仁藤が先頭に立ち低い前傾姿勢を取った。登り以上に下りではテクニックと度胸が求められる。仁藤の得意とする場面だ。前田と大島がその後ろについた。

K'sトレインに次いで山頂を通過したのは栄中日の集団だ。約1分差で松井玲奈・珠理奈、須田、木本、大矢。途中のトラブルはあったが上手く対処できた。ダメージもない。何とか次の山岳で前に追いつけるはずだ。玲奈の頭の中のコンピュータがそうはじき出していた。

渡辺は遅れた。栄から更に2分近い差がついていた。山頂を通過し前との差を確認し、渡辺は舌うちした。指原やチームBのメンバーに聞こえるくらい大きな舌打ちだ。

「秋元さん。聞こえます?後ろ…たかみなさんとわさみんはどうなんです?上がってこれるんですか?このBの二人…全く使えませんよ。」
「高橋はもう無理だ。騙し騙し行くしかない。後方に下がらせたよ。岩佐も単独で追うにはちょっと差が付きすぎた。」
「ちっ…使えねぇな…前田を牽いてきたお人よしの二人は?こういう事もあるかもって、前に上がるのを許したんじゃないんですか?」
「市川と山内か?そうだな…しかし、あの二人も読めないぞ。かなり消耗してるみたいだ。」
「なんだよ…どいつもこいつも…仕方ない。さっしー、下るよ。前牽いて。」
指原を前に出し渡辺が姿勢を低くした。
「ちょっと、礼くらい言ってもいいんじゃないの?」
「お礼?なんで?全然仕事も出来ないで何様のつもり?前と差が開いちゃったし。」
渡辺が石田にはき捨てるように言う。
「麻友…前から思ってたけど…アンタ友達いないでしょ?]
「友達?そんなの…友達がいたら速くなれるの?私に必要なのは強いチームとちゃんと働いてくれるアシストだけだから。」



K'sの驚異的なペースと山岳途中でのトラブル。全てがスキルAにとって悪い方向へ歯車を動かしていた。何か…何かで流れを変えなくては…このままでは、下手したら今日で総合争いから脱落してしまう…次の山岳までに流れを変えなくては…
秋元が携帯電話を取りだした。野呂佳代の番号が表示されている。






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