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44.




調子は悪くない。いや…むしろここ暫くで一番いい感じで走れてるかも。
大島は茶臼山の1級山岳に入ってもひたすら先頭を牽き続けていた。後ろについていくチームBの3人が顔をしかめ始めたが、大島は涼しい顔できつい勾配をかけ上がっていく。後方から指原莉乃が上がってきた。去年見せた山岳の強さはどうやら本物らしい。エースクラスの脚力を持った指原がアシストに回ったスキルAは強い。でも…それは、ウチもおんなじだけどね。なんたって、去年のチャンピオンがアシスト、エースはあのツール・ド・フランスでステージ5位を取った前田敦子だよ?

「大島さん、ここは押さえていきましょうよ。まだ3日目ですよ?明日は乗鞍だってある。勝負をつけるのはやっぱ超級ステージじゃないですか?」
指原が大島に話しかける。半分は本音だ。条件が厳しい程、アシストが多いこっちの方が絶対的に有利だ。今日は山岳とはいえ、まだ易しいほうだ。アタック合戦になったら個人の力量がものを言う。

指原、甘いよ。そんな思惑はもちろん私にはお見通しなんだよ。ってゆうーか、もう分かってるちゅうに。秋元さんの考えそうなことだわな。共同戦線張ってやるなんて。どうせ、今後の取引とかなんとかをチラつかせてるんでしょ?
なんか、不思議なんだよね。こうしてレースをコントロールしようって思って走ってると、色んな事が見えてくる。わかるんだよ。色んな思惑っていうか、策略っていうか、そんなものが。だから、悪いけどアンタ達の企みは私が一人で潰させてもらうよ。

大島がギアをシフトチェンジした。一段重いギアに入れてダンシングの姿勢を取る。更にここからペースを上げるのか?指原は身構えた。
「アタックだよ!ちょっとヤバい。優子は下りも強い。山頂までに離されたら厄介な事になる。向こうにもアシスト3人いるんだ。それに…あっちゃんだってついて来てる。あっちゃんがアシストしたら幾らこっちが人数多くても洒落になんないよ!」
高橋が指原に言う。そのすぐ前に前田敦子が道を塞ぐように立ちはだかった。仁藤、板野、峯岸がその脇から大島を追って上がっていく。

完璧なチームワークだった。前田がスキルAの前を塞いだのも、仁藤たちが大島を守るように前に出たのも、特に示し合わせた訳ではない。このタイミングで誰が何をすべきか。それぞれがしっかり自覚して動いただけにすぎない。プロ集団の洗練されたチームワークだった。

「何やってんの!」
渡辺が憤るようにして、前に出る。焦ったように前田を交わしていく。それを追うスキルAのも栄のメンバーも一瞬の出遅れをカバーする為に脚を強く踏み込んだ。ここで早くも脚を使うのは想定外だが止む追えない。なんといっても逃げてるのは大島優子なのだから。

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Comment

いつも楽しく読ませてもらっています。
早速話の内容に移らしてもらいますが、えれぴょんと野呂さんがグルっぽい感じがしますね。秋元は何か気付いた感じがします。今日の優勝者が今回は見当がつきません。優子ぽい感じするけど。僕のコメントは、いつも感想ではなく四谷さんが書いた話をまとめているみたいですね。楽しみにしていますね。

2012.02.01 (Wed) | なたや #LkZag.iM | URL | Edit

>>なたやさん

いや、どんな形でもコメントは嬉しいですよ。
これからも遠慮なくどんどんしてくださいね。

2012.02.02 (Thu) | 四谷 #mQop/nM. | URL | Edit

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