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シーン27.



南麗華の逮捕は世間にちょっとした話題を提供した。男が撲殺された事件の犯人として紹介されたその顔写真が篠田麻里子にそっくりだったことが大きな理由だった。だが、話題になったのはそれだけであって、本物の篠田との関係まで言及された報道はどこにも見当たらなかった。顔は似ていても、戸籍上でもまったく繋がりのない二人を結びつける事すら考えもしなかったのであろう。世の中には似ている人もいるんだな…そんな印象を与えたに過ぎなかった。

花崎彩音をセンターに擁した新曲は第4回総選挙の投票券が封入されたこともあって爆発的な売り上げを記録した。世間の花崎への注目はどんどん高くなっていき、テレビの画面には毎日のように花崎の姿が映し出されていた。


「ひゃぁー、私朝からメロンパン一個しか食べてないです~」
「そうなの?ダメだよ。しっかり食べなきゃ。彩音は育ち盛りなんだからさ。
ほら、レコーディング始まるまでちょっと時間あるから。このおにぎりとサラダ食べていいからさ。」
島田晴香が心配そうに花崎に話しかける。
「あ、でもこれって島田さんのお昼ご飯じゃ?」
「いいんだよ。私は一食抜くくらいがちょうどいいんだから。」

「こらこら、はるぅもダメだよ。ご飯抜きって結局太る元なんだからさ。
それに腹へってちゃ声も出ないだろ?」
篠田麻里子が笑って現れた。横に立つ珠理奈も笑顔を見せている。

「あのさ、レコーディング終わったら何か予定入ってる?」
「いえ。今日はこれで終わりです。」
「じゃ、さっさと終わらせて焼肉でも食べにいこうか?ご馳走するよ。」
「ホントですか~?うれしい~!お肉だ、お肉!」
「いいなぁ。彩音。お肉かぁ…」
「あれ?はるぅも一緒に行こうよ。」
篠田の言葉に島田の顔がほころんだ。
「いいんですか?私も?」
「もちろん、でも…あんま人数増えるとお財布厳しくなるから、ほかのメンバーには内緒ね。」
「はい!やったぁ…よおし…お肉だ…やっぱ、彩音、このおにぎり、あげるよ。
だってお腹空かしとかないと…」
「島田さん、それダメって言われたばっかじゃないですかぁ?」
珠理奈が笑って言う。島田も舌を出して頭を掻いた。

明るい声で笑いあう3人を見ながら花崎は考えた。

いいんだろうか…私はこのままで…
真奈美さんは言った。麻里ちゃんの味方でいてあげてね…
このまま全てが終わった…それでいいのだろうか?
犯人はあの人だ…それは間違いないんだろう。本人も認めてると聞いた。
それで終わり…でも…この胸の中に残ったもの、何かがつっかえたような違和感…
この正体が何なのか、私はそれを知ることが必要な気がどうしてもするんだ…

「さ、じゃあ、頑張って一発録りで終わらせちゃおう!」
メンバーが徐々に集まり始めていた。

シーン28-1. | Home | オワタ\(^o^)/

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