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シーン14.



「あのさぁ、何でアンタがそこでずっと見てるのかなぁ?」
「そうそう、劇場公演なんか見に来てる暇ないんじゃないの?」
「いや~余裕なんでしょ?なんたって選抜のセンター様ですからね。」
僕の太陽公演に備えて準備体操をする研究生たちが口々に嫌味をぶつける。
花崎彩音は下を向いてそれを黙って聞いていた。

「ちょっと何言ってるの?八つ当たり?みっともないと思わないの?」
「あ…島田さん。おはようございます。あの…」
「彩音。戸賀崎さんが呼んでたよ。行っといで。」
「はい。すみません。失礼します。」

サプライズの発表以来、衝撃が走ったのはファンの間だけではなかった。メンバーの間でもその衝撃のほどはあまりにも大きく、特に自分たちの頭の上を一気に飛び越された研究生や選抜未経験のメンバーからの不満が大きく膨らむのも無理はなかった。

「どうだ。正直キツイだろう?」
戸賀崎が花崎に聞く。隣には篠田真理子の姿があった。
「キツイって、スケジュールのことですか?いえ。
いつ寝てるかわからないくらいハードな毎日を送ってる篠田さんに比べたら…」
「いや…そうじゃなくてな。世間とか他のメンバーからのやっかみとか…
さっき島田と話したんだが、結構ネチネチ言うヤツもいるみたいだな。」
「ああ、そのことですか…いえ。皆さんのおっしゃることももっともですから。」
花崎が涼しい顔で答えた。

「ほう…さすがに秋元先生が見初めただけのことはある。
見た目以上に気が強いにたいだな。な、篠田?」
「いや…戸賀崎さん、それちょっと違うんですよ。」
「ん?どういう意味だ?」

確かに普通の子とは違う。同じような境遇だった珠理奈が乗り越えてきたような感じとは違う。なぜかはわからない。この子は人の心が読めるんじゃないかって思えるときがある。何を言えば相手を怒らせ、何を言えば相手の機嫌がよくなるか…どう行動すれば良くて、してはならない事は何なのか…そんな事が自然にわかるかのようだ。まだ13歳の女の子なのに。そう…洞察力がものすごく高いんだ。
たぶん自然にそうしてるんだろうけど…だから、選抜メンバーだけじゃない。この子と接した子はみんなこの子が好きになる。う~ん…好きになるっていうのとはちょっと違う?なんか一目置いちゃってるようになるんだよね。

そう…何かを見透かされてるかのような…
私も気をつけないといけないのかもしれない。
いや…それは違うか…

私はうまくやってるはず。
あれ以来、私には何の手も伸びてきていない。
誰かに追い詰められてる感じもない…
きっと大丈夫だ…



「いえ…心配ないよね。彩音?」
「はい…島田さんがすごく良くしてくださるので…」
「メンバーになってもはるぅ推しは変わらないって事か。」
「あ…推しだなんて…尊敬してるだけです。」
「そりゃ、麻友や指原が聞いたらヤキモチ焼くよ~。
あの二人、すっかり彩音推しだからね。女のヤキモチは怖いよ~」
篠田が笑った。


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