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シーン11.




全国握手会会場の西武ドームには2万人以上のファンが集まった。
コンサート会場の熱気そのままに始まったミニライブ。
花崎彩音は、ステージ上で歌い踊るメンバーと同じ衣装に身を包みステージ袖に立っていた。恐らく…この後、あのステージに呼ばれるんだろう。それ位は理解できる。でも、なんで?第一まだ13期生のお披露目があったばかりだ。そうか…1人だけだからかな?どっちにしても覚悟決めなきゃ…。

ライブが終わった。メンバーが引きあげてくる。
あれ?なんだ…お披露目じゃなかったの?ちょっと気が抜けちゃったな。
花崎はステージから離れようとした。その前に篠田が立ち、笑顔で首を横に振る。
「ちょっと待って」とでも言いたげな表情だ。

大きな音響。観客席の視線がステージ上のモニターに集まる。
「AKB48 26thシングル 選抜メンバー発表!」
初夏に発売されるシングルの選抜メンバーが発表される。観客からどよめきが起こった。

ドーン!
大きな爆発音のような効果音とともにメンバーが1名1名スクリーンに映し出される。
「チームA 前田敦子」
「チームK 大島優子」
「チームB 柏木由紀」
馴染みのメンバーが発表されていく。
「チーム4 島崎遙香」
初選抜の島崎の名前が表示されると一段と大きなどよめきが起こる。
そして、場内の照明が突然変わる。ステージ上に発表されたメンバーが登場した。
発表された17名が横一列に並んだ時、一段と大きな効果音が響いた。
再びモニターに映像が映し出される。

「AKB48新世紀 今君たちは新しい歴史を目撃する。」
観客から大きな歓声が上がる。何かが起きる。そう期待する声だ。
「現れた新星 今新しいAKB48が産声をあげる」
「26thシングル 我々は新しい時代を迎える」
モニターの煽り文句で場内のボルテージは最高潮に達した。
「新センター」
「AKB48 14期研究生」
「花崎彩音」

場内には一瞬の静寂が訪れた。すぐ後に雪崩のような歓声が沸き起こる。
期待と戸惑い喜びと驚き期待と落胆…いろんな感情が入り混じった歓声だった。
ステージ上のメンバーも同じ反応だった。お互い顔を見合わせる。
その中、一人篠田が笑顔をステージ袖に向ける。
茫然と立ち尽くす花崎の姿があった。両手で口をふさいでいる。
驚きの声が漏れないようにしているかのようだ。

一番端に立っていた宮澤佐江が袖に走り、花崎の腕をつかんだ。
「さ、行こうか。みんなが待ってるよ。ね?」
優しい笑顔だ。ステージを見る。メンバーがこっちを見てる。
眩しい…眩しすぎる…私なんかがあっち側に行っていいんだろうか?
「おいで!さあ!」
篠田が大きな声をかける。ふらつく足をステージに向けた。

眩い世界へ足を踏み出した花崎の背中に刺すような視線がぶつけられる。
ステージ袖には、名前を呼ばれなかったメンバーの姿があった。

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