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シーン9.


「まるでキャバクラみたいですね。こんな風に写真が並べられてて…」
「ん~西園寺君。ずいぶん詳しいね。好きなの?」
「え?キャバクラがですか?いえ…そんなわけでは…」
「いいんだけどね。そう、そんなに楽しいの?キャバクラって。」

「楽しいというか…ちょっと何を言わせるんですか?
それより古畑さん、なんとなく僕にも古畑さんの考えていることがわかりますよ。
被害者はAKBのメンバーを盗撮していた。何らかの形でそれが関係してる…
そう思われてるんですよね?」

「ん~西園寺君。君は、本当に真面目なんだねぇ~。」
古畑がロビーへと足を進め、周りを見回しながら話す。
「は…はい。決して悪ふざけをするようなタイプではないと自分でも思ってはいますが…」
「だってさ、まだ何にも手がかりないじゃない?ただ、写真がいっぱい出てきただけで。
あのね、刑事ドラマじゃないんだよ?そんな簡単に話は進まないよ。」
「では、なぜ古畑さんはここに?」
「そんなの決まってるじゃないか。」

「お待たせいたしました。」
劇場入り口のドアが開いた。中から大柄な男が現れる。
「お忙しいところを大変申し訳ございません。私、警視庁の古畑と申します。
こちらは西園寺。西園寺君、こちらは戸賀崎さんだ。劇場支配人をされている。」
「あ…これは…前にどこかでお会いしたことありましたか?私の事をご存知だとは…」
戸賀崎が不思議そうな顔を古畑に向ける。

「え~…はい。何度か。といっても、戸賀崎さんは私のことはご存じないと思いますが。
支配人部屋へ何度か足を運ばせていただいたことがあります。」
「そうでしたか?これは失礼しました。」
「え~…結構です。何しろあれだけ多くの方がお見えになるんです。
私のことを覚えておられないのは当然です~」

「ところで今日は何でしょうか?申し訳ありません。あまり時間もないもので…」
「そうでした~。今日もこの後劇場公演でしたね。お手間は取らせません。
え~…この男に見覚えはございませんでしょうか?」
古畑は一枚の写真を取り出した。髭面の男の顔写真だ。
戸賀崎はすぐに答えた。
「ああ。知ってますよ。え~っと…本名はなんて言ったかな…すぐに思い出せませんが…
ここ最近、すごく熱心に応援してくれるようになったファンの方ですね。あ…でも暫く見てないかな?
この方が何か?」
戸賀崎が表情を曇らせた。
「そうでしたか~。実は…1週間以上前の話になりますが、何者かによって殺害されました。
ん~残念な話です。」

「何ですって?」
「実はこの方の部屋の状況から、相当なAKBのファンである事がわかりました。
何か捜査のヒントがあれば…と思いお邪魔させていただきました。」
「ヒント…と申しますと?」
「え~…私にも…まだわかりません。」
古畑が苦笑いを浮かべた。

「ところで…当然この亡くなった方にも推しメンはいらっしゃったのでしょうね。
戸賀崎さんが顔をご存知なほどですから…」
「ええ…えっと誰だったかな…う~ん…」
「宜しければメンバーからお話を聞いても宜しいでしょうか?」
「ええ。構いませんよ。その際には私も同席させていただきますが…」
「では、公演が終わった後にでも…少しずつ…何人かずつで結構ですので。」
「わかりました。では…あ、刑事さん。」
「古畑です。」
「よかったら公演ご覧になっていかれますか?確か今日は招待席が空いてますから。
お連れの刑事さんもご一緒に。」
「え…いえ、今日はあくまでも捜査…」
断ろうとした西園寺を古畑が慌てて制した。

「さぁ~いおんじ君。お言葉に甘えようじゃないか。え~…宜しいのでしょうか?」
「ええ。その代わり…捜査もいいですが、お手柔らかにお願いしますよ。」

シーン9-2. | Home | シーン8.

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