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シーン8.

「失礼します。」
「おお、来たな。篠田。」
「はい。あ、これ…戸賀崎さんにお土産です。」
「おお、いつも悪いな。3本もあるじゃないか?
これじゃ俺が渡した餞別だけじゃ足りんかったんじゃないか?」
「大丈夫ですよ。イタリアワインってフランスと違って変なブランド料が乗らない分
安くて美味しいワインが選べますからね。ぜんぜん余裕です。」
「そうか。お前が選んでくれるワインは本当に旨いからなぁ。助かるよ。」
「いえいえ。あれ?戸賀崎さん、私に話しって何ですか?」
「おお、そうだった。ちょっと待ってくれな。」

戸賀崎が携帯電話を取り出した。
「ああ、俺だ。花崎はそこにいるか?
ああ…すぐに俺の控え室に来るように行ってくれ。そう。すぐにだ。すまんな。」

「実はな…お前に見てほしいヤツがいてな。14期の事は聞いてるか?」
「ええ。何でも一人だけしか合格しなかったって…」

「失礼します!」
部屋のドアがノックされた。元気な声が外からかかる。
「おお、早いな。入っていいぞ。」
「はい。失礼します。」
中に入ってきた少女がすぐに篠田の姿を見つける。

「花崎、紹介しとくな。こっちが…」
「篠田麻里子さん!はじめまして。私、14期研究生候補の花崎彩音と申します。
よろしくお願いします!」
花崎が腰を90度に曲げて一礼した。顔を上げて直立不動の姿勢になる。

「はじめまして。篠田です。彩音ちゃんかぁ。可愛いね、いくつ?」
篠田が優しい笑顔で花崎に右手を差し出す。
「はい。13歳です。中学1年生です。」
花崎が緊張した表情で両手を出す。篠田の手を握り締めた。

「へ~なるほどねえ。うん。戸賀崎さん、見てほしいって事は…
私が預かっていいって事ですよね?」
「ああ、だが、無茶はしないでくれよ?」
「わかってま~す。ね?彩音って呼んでいいかな?」
「あ、は…はい!うれしいです。」
「あのね、彩音。後で声かけるから控え室で待ってて。メンバーの控え室?」
「はい。今朝、皆さんにご挨拶させていただきました。」
「そっか、じゃあとで。」
「はい。では失礼します。」

花崎が部屋を出て行った。
「ねえ?イイ子じゃない?なんか、珠理奈の事思い出すな。」
「そうか?タイプは違うけどな。まあ、勝気なとこは似てるかもしれんが。」
「秋元先生でしょ?何か企んでる気がします。
いきなりアンダーガールズとかに入れたりして。あ、まさかいきなりアンダーのセンターとか?」
「鋭いな。でも…秋元先生はもっとスゴイ事を考えてるみたいだぞ。」
「え?もっと?まさか、いきなり選抜とか…?」
戸賀崎は篠田の質問には答えず、無言で笑った。

「え?ひょっとして…?へ~そうかぁ…こりゃ、面白そう。」
「ところで、後でって何をするつもりだ?」
「握手会見学させようかなって思って。」
「おい、もうファンの前に出すのか?いや、それは秋元先生が何て言うか…」

「面白いじゃないか。」
「秋元先生!」
いつの間にか姿を現した秋元康が言った。
「何も言わずに篠田の横に立たせてみなさい。
ファンに誰?って聞かれたら、名前だけ教えるんだ。名前だけな。
覚えておいてくださいって、それだけでいい。篠田、どうだ?」
「ええ。かまいませんよ。面白そう。じゃ、そろそろ行ってきますよ。」

篠田が立ち上がった。

シーン9. | Home | シーン7.

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2012.01.20 (Fri) | hiloki #y/VNDI9. | URL | Edit

>>hilokiさん

ご指摘ありがとうございます!

2012.01.20 (Fri) | 四谷 #mQop/nM. | URL | Edit

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