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29.警備体制



「しかし…問題は悪戯したモンがわかって終わりじゃないっちゅう事ですな。」

確かにその通りだ。悪戯の犯人はわかった。大治や中谷の言う通り、その事自体は解決をしたと言ってもいいだろう。だが…彼らは戸賀崎のメールアドレスを知らかなったし、知りようもなかった。では一体誰があの脅迫文を?
むしろ同一人物の仕業であれば良かった…誰が?何の目的で?

「警察の…あくまでも私が聞いたある幹部の私見ですが…立場から言うすると、
これは立派な脅迫事件ですな。きちんと捜査をしなくては解決ははかれない…と。」
中谷が苦々しく言う。
「最悪、コンサートの中止も検討しなくてはならない…そう指摘されるかもしれませんな。
もちろん、そうはさせないような体制は取りますが…」
「体制…?といいますと?」
戸賀崎が大治に尋ねる。

「当日は数百人単位の警察官が警備にあたります。
中には機動隊員、爆発物処理のエキスパート、対テロリスト対策部隊…
いずれもそれぞれの分野の精鋭ぞろいですよ。」
「え?しかし…そんな大がかりな警備体制を一民間イベントに警察が敷いてくれるとは…
それに、そういう依頼も出していないし…」

「警察官は公務員です。有休休暇だってありますよ。
有休休暇にボランティアスタッフとして無償で活動する事は彼らの職務服務規程には
何ら反する事はありませんからな。」
「そんな事が…?いや、しかし…」
「戸賀崎さん。ご安心ください。彼女たちの晴れ舞台。
良からぬ事を企む輩は誰ひとりとして足を踏み入れさせません。」

「中谷さん、大治さん。ありがとうございます。
あなた方がそう言ってくれると何より安心だ。
しかし…その脅迫メールの件は、私に預けていただけませんか?」
秋元が言う。穏やかな声だ。

「もちろん構いません…が、何かお心当たりでも?」

秋元は静かな笑みを浮かべた。
「わかりました。いずれにしても…当日は全力を挙げて警備にあたります。」
中谷は立ち上がって深々と一礼した。

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