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26.覚悟



「で…自信がなくなってしまった…と。」
「はい…すみません…せっかく期待してもらってるのに…」
「それで?キャプテンを辞退したい?」
「いえ、そんな事は言いません。一旦引き受けたんですから。でも…何か…
何かヒントっていうかきっかけが欲しいんです。
「ヒントって?」
「せめて…私に何が期待されてるのか…それがわかれば…」
「そしたらメンバーをまとめる事が出来るってか?」

島田は大島の言葉に答えを失った。
違う…そうじゃない…そもそも私は何を聞きたいんだろう…?
それすらわからなくなっている…

「あのさ。晴香。前にも言った事あると思うけど。たかみなはお前に託したんだよ。
ゆきりんでも、指原でも、萌乃でもなく…晴香にね。
なんで自分が指名されたか…もう一回良く考えてみろ。」

「考えました!何回も何回も何回も何回も…でも…どうしても分からないんです。」
島田の目からは涙が流れ落ちた。
キャプテンに指名されて以来、島田は一度も泣いた事がなかった。
本当は泣き虫なんだ。ちょっとした事ですぐに涙が出ちゃう。

「たかみなも…そうやっていつも泣いてたよ。」
大島が急に柔らかい口調になって話し始めた。
「あの頃はね、1期生と2期生がお互いいがみ合っててね。
そりゃひどいもんだった。私なんか平気で喰ってかかってたからね。
アンタ達、私たちの公演の邪魔してんでしょ!…とかね。殆ど言いがかり。」
「そうなんですか…?どうして…どうやって、皆さんは信頼し合えるように?」
「みんなっていうか…やっぱたかみなかな。
あの子さ…有名な話だから知ってると思うけど無茶苦茶ダメダメだったんだよ?
歌は上手かったけど、ダンスとかそりゃひどくてさ。盆踊りかって思うくらい。」

島田は頷いた。それは私も知ってる。でも…私が知りたいのは、
そこからどうしてたかみなさんがみんなから信頼を得るようになったかって事なんだ…

「たかみなってさ。いいヤツでしょ?
アイツが男だったら、間違いなく惚れるね。絶対。あ…男かホントは?」
大島が笑って言葉を続ける。

「誰かが困ってるとか…誰かが辞めたいとか…誰かと誰かが喧嘩したとか…
そんな事があると、絶対しゃしゃり出てくるんだ。
あーでもない、こーでもないって。
そんなこんなしてるウチに昨日は出来てなかったステップが次の日には踏めるようになってる。
出来なかったターンを見事に回ってみせる。
良く言ってたろ?寝ないでやる努力をしろって。あいつの口癖。」

島田は黙って頷いた。

「晴香は頑張ってるよ。うん。私は認める。
あのころのたかみなに決して負けてないって思う。
でもね…晴香はいつもチームの為、グループの為…そればっかだよな。
その先に何がある?たかみなは、自分の夢をかなえる為に頑張ってた。
そして、それと同じくらいのパワーでチームの事も考えてた。」
「どうして?たかみなさんは、なんでそこまでやれたんでしょう?」

「覚悟…かな?」
「覚悟…?………優子さん…私、たかみなさんと話したいです…
頼るわけじゃないです。とにかく…たかみなさんの声が聞きたい…」

大島は暫く黙っていた。迷ってるようにも見えた。
そして自分に言い聞かすように言った。

「わかった。明日…朝一番で行こう。私も一緒に行くから。」

27.なぜ、たかみなさんは? | Home | 25.センター

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