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22.高橋倒れる


「なんか揉めてるね~」
小嶋陽菜が汗を拭きながらペットボトルの水を一気に飲み干す。
このところ朝から晩までこのドームテントでリハを繰り返していた。
「ホント。でも、たかみな良くガマンしてるね。
口挟みたくてうずうずしてるんじゃない?」
峯岸みなみが笑う。
「いや…もう私が出る幕じゃないよ。大丈夫。島田ならちゃんとやれるよ。」
高橋が休憩中も山内や大場と厳しい表情で話しあう様子を遠目で見ながら言う。
「たかみな、ホントは寂しいんじゃないの~?」
「ははは、ちょっとね。」
小嶋の冷やかすような問いかけに笑って答えた。

たしかに…ああやって、壁にぶつかって衝突して…
そしてみんなで乗り越えて…そんな事はもうそうは無いんだろうな…

「ねぇ。でも、たかみな、最近根を詰めすぎじゃない?」
小嶋が高橋にペットボトルを差し出しながら言う。
「そうそう。自分のレッスンだけじゃなくて、全体や新チームのレッスンにも
全部つきあってるんでしょ?他のメンバーは東京ドームに向けて他の仕事を絞ってるのに、
インタビューやら取材やら全部自分で引き受けちゃって。」
峯岸も心配そうな表情を浮かべる。

「まあ、いいじゃん。まだ私はAKBのキャプテンなんだからさ。
それくらいの仕事はさせてよね。そのうちしたくても出来なくなっちゃうんだからさ。」
「それはそうだけど…でも、ほどほどに休まなきゃ。絶対、最近痩せたでしょ?」
「ホント。頬なんてこけちゃって…」
「にゃんにゃん。それ前からだから。」
三人は大きな声で笑った。

「さ。私たちも頑張らないとね。」
高橋はそう言ってステージの上に上がった。
唇触れずのイントロが流れる。
「…」
出だしの高橋のパートに入っても声が出てこなかった。
小嶋が横を見る。マイクスタンドにもたれかかった高橋の顔から汗が流れ落ちている。
顔が真っ青だ。
「たかみな?」
峯岸も高橋の異変にすぐ気がついた。慌てて身体を支えようとする。
一瞬間に合わなかった。高橋の身体はそのまま崩れ落ちた。

周りにいたメンバーも駆け寄ってくる。
ステージから遠く離れた場所で見ていた戸賀崎が高橋の身体を支え大きな声を出す。
「誰か!救急車を呼んでくれ!」

23.島田の決意 | Home | 21.新チーム

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