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6.たかみなの頼み


「ごめんね。待たせちゃって。」
「あ、私こそゴメン。急に呼び出しちゃって。」
「びっくりしたよ。でも、こんな風にたかみなと二人で話すのって久しぶりだよね。
あ、カフェラテお願いします。ホットで。」
大島優子がコートを畳んで椅子に置きながら笑う。

「なんか、黙ってるのって辛いよね。
リハやってても、みんな気がついてるんじゃないかってこっちがドキドキしちゃう。
戸賀崎さんって、いつもサプライズ発表する前ってこんな気持ちだったのかなぁ?」
大島が屈託のない笑顔を見せる。どうやら、自分なりに気持ちの整理をつけているらしい。
明日からいよいよセットリストベスト100のコンサートが始まる。

「あのね…優子に話しておきたい事があるんだ。これから先の事。」
「ん?たかみならしくないね。目の前の事を全力で一つ一つ…って言うのかと思った。
どうしたの?何か企んだりしてる?」
大島はちょっと茶化すように笑ったが、いつになく真剣な…
いや、深刻な表情の高橋を見てすぐに真顔になった。

「カフェラテお待たせいたしました。」
ウエイトレスが置いたカップを口に運び、熱さに顔をしかめるが視線を
高橋に向けたまま言葉を待った。
高橋も自分のカップを口に運び、決心したように話し始めた。





「そんな…ね…嘘…だよね?そんな事が…」
大島が茫然とした表情で高橋聞く。
「それがね、嘘じゃないんだ。残念ながら。」
高橋が軽く微笑んで首を横に振る。
「この話…他には?あっちゃんとか、にゃんにゃんとか…みいちゃんとか…は?」
「ううん、知らない。」
「なんで?一番先に話して…相談するべきじゃない?」
「う~ん…それは私も考えたんだけどね。
でも、一番冷静に聞いてくれるのは優子かなって思ってさ。
もちろん、いずれみんなには話そうと思ってるけどね。今は…優子と相談したかったから。」
「いや…私だって…冷静でなんかいられないんだけど…」
「ごめんね。変な事言いだしちゃって。」
「いや…そんな事…でも…ねぇ…やっぱり…」
「あ、いいの。今は東京ドームの事だけ考えたいの。
その事だけ。だから…力を貸して?」


大島はそっと目をつぶった。
わかった…それがたかみなの願いなら。
私がちょっとでも力になれるなら…。
たかみながこんな風に私に頼みごとをするなんてね。

やるよ。私はやる。

7.バトン | Home | 謹賀新年

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