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63.本当の黒幕



「ようこそ~。歓迎するよさしこちゃん。」
「ちょっと里歌ちゃん。未だにその言い方するのはアンタくらいだよ?」
「だって、なんかこっちの方がしっくりきてさ。その子だってちょっと前までそう呼んでたじゃない。」
「でも、一番イイ子が残ったんじゃない?だって、アイドルヲタクなんでしょ?指原さんって。
私達と一緒にここで世の中を動かすのは堪らないでしょ?」
「そうですね。ルリ子さん。自分でアイドルやってみましたけど、
やっぱり私はアイドルを追っかけてる方が性に合ってるみたいですから。」

指原は勧められた椅子に座って笑った。

「しかし…見事としか言いようがないわね。私達の事や円卓会議のメンバーは誰から聞き出したの?
まさか…あなたじゃないでしょうね?」
「いや…それは違う。私は決して…」
「秋元先生からじゃないですよ、奥さん。」
「あら、ここでは奥さんって呼ばなくていいわよ。もう、あなたはここのメンバーなんだから。
麻巳子って呼んでもらっていいわ。」
「はい…じゃ、麻巳子さん。島を出る時板野さんに教えてもらいました。
あの3人は知ってたんですね。皆さんの事も。何もかも。」
「3人って?あの島に残してきた3人の事?板野さんと宮崎さん、河西さん。
そう。こっちで働いてもらう時にね。でも…あなた…3人はちゃんとコントロールしたって言ってたわね?」
「もちろんだ。ちゃんと薬漬けにしたし、例の仕掛けだって…」


指原は板野の事を思い出していた。
別れ際、虚ろな目を懸命に見開いて話してくれた事を。
自分の腕を爪で掻きむしった痛みで必死に正気を保ち教えてくれた事を。
「お願い…私達の悔しさを…」

わかってます。もうちょっと…もうちょっとで終わります。
みんな…最後の勇気を私にください…

「そっか…ま、いいや。終わった事だしね。
それより…なんであなた達には仕掛けが効かなかったのかな?」
「私、注射嫌いなんです。」
「注射?空港で予防接種を受けなかったのか?」
「はい。トイレに逃げてました。ハワイ行くくらいで予防接種もないよねって。
萌乃もああ見えて注射嫌いだって言うし、わかにゃんも小森も。」

「戸賀崎からは全員打ったと報告が…」
「だから言ったじゃない。あの男は肝心なところでポカをやるって。」
「すまない…戸賀崎め…」
「じゃあ、機内で意識は失わなかったんだ?」
「はい。だから…みんな聞いちゃいました。気を失ったフリって難しかったですけど。
小森がどうしよどうしよ…ってずっと言ってたんで殴ったりしなくちゃいけなかったし。
なんか運ばれてる時にガスか何かで眠らされちゃうまで…」
指原が苦笑した。

「注射液の中には超小型のチップと遅効性の睡眠薬が入っていた。催眠ガスは麻酔薬だよ…
それで眠らせてる間に体内に仕込んだ第2のチップがこちらの指示で反応して
心臓発作を起こさせるはず…そうか…最初のチップが入って無かったからお前たちは…」
秋元がつぶやく。ようやく納得した表情だ。

「だから…一番先に意識を取り戻した私は、萌乃達を起こして一旦みんなの前から姿を消したんです。
このゲームを勝ち抜くために…」
「大したものだわ。ヘタレ…そんな言葉は似合わないわね。もう。」
高井の言葉に指原は笑みを返した。

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