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11月3日  東京都立川市国営昭和記念公園


残り7キロ。二人のランナーが先頭で昭和記念公園に入ってきた。
白地のシングレットシャツに濃いオレンジの襷。
東海地区No.1の強豪、栄女子大の松井玲奈、珠理奈、二人のエースだ。
スタートして2キロの地点で飛び出した二人はその後も後続を大きく引き離しレースをリードした。予選会に参加しているランナーの中で二人の力は突出していた。

残り2キロになったところで、松井玲奈が珠理奈に目配せした。珠理奈が悔しそうに頷く。
一気に玲奈がスパートをかけた。長身、長いストライドが伸びる。

追わなくちゃ…。珠理奈も必死の形相で前を向いた。



自衛隊立川駐屯地をスタートする箱根女子駅伝の予選会には40大学500名を超えるランナーが出場している。本大会に出場出来るのは20校。そのうち10校は前年順位によるシード校。1チームは全国学連選抜による混成チームなので、この予選会から本戦への出場チケットを手に入れる事が出来るのは9校だけだ。

予選会は各大学20キロを走った上位10名のタイムを合算して順位が決定される。
男子のようにインカレポイントの加算もない、単純な一発勝負だ。

栄女子大は昨年、箱根の舞台に初めて登場した。
1年生で1区を任された珠理奈がいきなり区間賞を獲得するなど、前半のレースを大いに盛り上げたが結局終わってみれば総合13位。シード権の獲得はならなかった。それでも、昨年2区を走った4年生の松井玲奈が大きく成長。大矢真那、須田亜香里、矢神久美といった昨年の経験者を残し、今年の予選会ではトップ通過の前評判が高かった。


女子大学駅伝は佛教大学、立命館大学という関西の両雄が並び立つ「2強時代」が長く続いた。しかし、高速化が加速する世界に通じるマラソンランナーを育成する事を目的に「箱根女子駅伝」が創設されると、その勢力地図を大きく塗り替える動きが始まった。
男子の箱根駅伝が正月の風物詩なら、2月に開催される女子箱根駅伝は早春の風物詩だ。
華やかな女子の戦いは年々人気を呼び、沿道には多くの応援が繰り出し、テレビの視聴率は男子をも凌ぐほどになった。

ここ5年間に渡り、女子大学駅伝界をリードしているのは、秋英学園大と慶育大の両校である。秋英大は前田敦子、慶育大は大島優子という学生界だけでなく、もはや日本長距離界屈指のエースを擁して、女王の座を争っていた。両校は二人にとっての最後の箱根へ向け、最後の調整に入っていた。

強豪が最後の調整に入り始めるこの時期に、予選会というシビアな闘いに身を置かれる各校は条件的にかなり厳しい環境に置かれる事になる。

しかし、そんな事は言ってられない。
今日勝ち残らなければ、明日はないのだから。

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