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中華街には、持ち主が何度も変わって権利関係がぐちゃぐちゃになってるビルが多い。
だから、入居に関しても相当敷居が低いし、怪しい商売をするには格好の場になる。
闇金関係の事務所を構えてるヤツも多かったしね。

治療院はまさしくそんな怪しいビルの中にあった。
ビル自体も玄関のドアも相当古めかしかったけど、やたら厳重に鍵がかかってる。
そんだけ厳重なのに、セコムとかアルソックのステッカーが貼ってないって事は、厳重にしたいものがあんまり宜しくないモノだって事だろう。駆け付けた警備員が面倒なモノなんか見つけたりしちゃ、逆に困るって事。

僕が最初に悪事に手を染めたのはピッキングからだ。
最新の鍵を空けるノウハウは持ってないけど、幸い指先はまだ生きていたみたいだ。
比較的容易に解錠して中に入った。

思ったより広いな…
ソファが3つ。肩口のところから、細い管のようなものが伸びている。
酸素バーとかで使うヤツか。あそこから香り付きの酸素が出てくるんだよな。
多分、ここだな…と目星をつけて、僕は、ソファの足元を探ってみた。

ビンゴ。

足元には小さなタンクがあった。熱線のようなものが張り巡らされている。
微かに残る化学調味料のニオイ。
これか…仕組みは分かった。

隣の部屋に入る。
デスクの上には、パソコンが2台。カルテの類はない。
僕は軽く舌打ちをした。多分、目当てのファイルにはパスワードがかかってるだろう。
このパソコンのハードディスクを破壊したところで、僕の目的が果たせるかどうか解らない。

僕はデスクの隣のキャビネットに目を移した。
鍵をこじ開ける。
中には小さな粉末の袋が数袋並べられていた。
僕は身震いをした。たったこれだけの量で、何人の人間を地獄に落とせるんだろうか…

そう思った瞬間、後頭部に衝撃を感じた。
痛みではない。衝撃だ。
まるで、不眠症の時に巨大熊から巨大なハンマーで殴られた時のような衝撃だ。
目の前が真っ暗になる。
僕は、その場に崩れ落ちた。

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