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「なあ、落ち着けって。って、落ち着いてるよな。うん。こんなヤバい事やめたほうがいいって。
お前もわさみん好きなんだろ?ダメだよ。あんなトコで騒ぎ起こしたら、握手会も中止とかになっちゃうしさ。
な?分かるよな?」
会場の外の植え込みの陰で僕は言った。何とかこいつを思いとどまらせないと。

「とりあえず、どうしてそんなことしようとしたのか聞かせてくれよ?」
暫く話しかけてると、いきなりそいつが捲し立て始めた。
「き…君に何がわかるっていうんだい?僕はね…僕はね。こんな歪んだ虚像の世界から
彼女たちを救いだしたいんだ。ほら、こうしてる間も悪の手先が彼女たちに…」
おいおい、コイツ目がどっか行っちゃってるよ。まさか…

さくっ

そう思った時、いきなりポケットからそいつの手が抜け出たと思ったら、
お腹の辺りに焼けつくような痛みが走った。ナイフが僕のお腹に刺さっている。

「きぃひひひひひ…」
奇妙な笑い声を発して、ナイフを引き抜いたそいつが身体ごと僕にぶつかってくる。
僕は何とかそれをかわしてそいつの腕をつかみ、足を払って身体を地面にたたきつけた。
そのままそいつの腕を十字拉ぎの形で極める。柔道技だ。

「どうしました?」
係員が駆けつけてくる。僕の血で真っ赤に染まった地面を見て思わず息をのんでいる。
「大丈夫です。…けど、このイベントの一番偉い人を呼んで来てもらえるかな?」
僕は無理してにっこり笑って言った。
「わ…わかりました!」係員が慌てて走っていった。
「なるべく…急いでくれると嬉しいけど…」
段々意識が遠くなっていく。

あれ…
なんか騒がしいな…
「おい、大丈夫か?おい!おい!しっかりするんだ!」
「救急車だ!救急車を呼んでくれ!」

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