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第3節


各営業所には「所長」と呼ばれるマネージャーがいる。
所長の果たす役割は管理職ではなく、外交員のコントロール役であった。彼女達は自分の営業所に所属する外交員の成績により報酬が左右される。外交員の稼ぎの何%かが自分の身入りになるという仕組みだ。新しく自分の営業所からプランナーに昇格した外交員が出ると、所長にもキックバックが入り、コンサル・トップコンサルを多く抱える所長はそれだけ収入も良くなる。また、所長は自らも外交員として活動する事が許されており、その成績で所長であると同時にトップコンサルとしての成績を上げ続ける者もいた。


「おはようございます!」「おはようございます!」
「ありがとうございます!」「ありがとうございます!」
「宜しくお願い致します!」「宜しくお願い致します!」

オフィスに大きな声が響く。第2営業所、朝礼恒例の様子だ。
「えっと、みんなの頑張りで先月は社内2位の成績を収める事が出来た。
ここ半年の間、ずっと第3営業所に負けてたけど、久しぶりの2位だ。ご苦労さま。」
所長の秋元才加が笑顔を見せる。

「契約で稼いだ者もそうだけど、今月は全員の訪問件数と見積もり依頼件数が大幅に増えたのが大きいね。
こういう地道な営業が段々実績になってくるんだから。」
副所長の宮澤佐江がプリントアウトされた資料を見ながら言った。
宮澤はOLを中心に女性層に圧倒的な強みを持つコンサルタントだ。

第2営業所は人間関係や義理人情を前面に押し出し外交するといった、一見旧態依然と旧態依然とした泥臭い営業スタイルを展開する部隊で、所長の秋元のキャラクターが強く打ち出されていた。常に全社トップセールスの称号「トップ・オブ・トップ」を争う大島優子を筆頭に、脚で稼ぐ営業で結果を出すメンバーが多かった。

「ねぇ、才加。」大島がカバンを抱えて言う。大島と秋元は同期入社だ。
「今回の全国所長会議でちょっとは大きな顔してきなよ。私たちは王道の営業やってるんだから。第1の誰かみたいにおっきな客ばっかからの売り上げに頼ってるんじゃないからさ。」

「そうだよ、いっつも私たちのやり方を「古い」とか言ってるみたいだけどさ。営業は成果だけが大事じゃないよ。しっかり基本をやっていかないと若い世代がいつまでたっても伸びてこないんだから」
営業所内No.2の成績を誇る板野友美も口を合わせる。

「わかった。いつも二人には頑張ってもらってるからね。
きちんと、私たちがやってる事をアピールしておくよ。」
秋元が真剣な顔で答えた。

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