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chapter-35



「まって…待ってください。メンバーの入れ替えは経営戦略上、やむを得ない事だってある。事実、我々の施策によりグループの売り上げは拡大、企業価値の向上と株主利益への貢献は果たしているはずです。評価こそされども、解任されるような事由とはなりえないはずです。」


「果たしてそうでしょうか?それが、虚偽で塗り固められたものであってもデスか?」
ゲイツが指原に向かって頷く。
「指原サン。ここからはアナタが話してみなサイ。これからはこういう事も勉強していかないといけないのですから。」
指原が再び立ちあがった。手には分厚い資料を持っている。

「AKSの拡大戦略には大きな法令違反の疑いがあります。こちらは有価証券報告書に記載された決算内容ですが、こちらに粉飾された形跡が認められます。関係先への実在しない売り上げを計上する事で決算を粉飾し、その結果上昇した株価が産んだ時価資産総額を使った企業買収を繰り返したんですね。これは立派な商法上の違法行為にあたります。」

指原は一気に話した後、大きく息をはきペットボトルの水を飲み干した。

「それから、お二人にはインサイダー取引の疑いもありますね。柏木ショックと言われたの株価急落直前、株の空売りをしましたね?急落を事前に知っていれば、それを利用して大きな利益を出す事が出来ます。お二人はご自分に関係のないところで上手く処理をされたつもりでしょうけど、ビルG…ゲイツさんのお力で調べはついています。こちらが、その証拠資料になります。私たちはこれを東京地検特捜部に告発しようと考えています。」

「指原。十分だ。良くやったよ。」戸賀崎が笑う。
「あぁ緊張した…これならバンジー飛ぶ方がどれだけ気が楽か…」
「今なら、もう飛べるんじゃないか?ま、合格だな。新生AKSの立派な戦力になれそうだ。」
戸賀崎が指原に手を差し出す。ビジネスのパートナーとして認めあう握手だった。

「ミスター・秋元、ミスター・クボタ。大株主のみなサン…電通さんも、銀行も、投資組合も、みなサン、今こそ道を改める時だという思いを同じにしてくださいマシタ。あとの事はご安心くだサイ。ワタシ達はアナタ達が歪めてしまったものをきっと正しい方向へ導いて見せます。」


秋元と窪田ががっくりうなだれる。その前に柏木と菊地が立つ。

「お前たち…」秋元が二人を見上げた。

「私たち、賭けしてたんですよ。ね、ゆきりん?」
「そうなんですよ。お二人がうなだれるところが見れるかって。」
柏木が1000円札を取り出す。
「正直、どんなになっても最後まで堂々としててくれると思ったんですけど…」
「ゆきりん、私の勝ちだね。あ、1000円札の裏に、参りました、私の負けですって書くのを忘れないでね?」菊地が笑う。
「ちぇっ。この1000円、恥ずかしいから絶対に使わないでよ?」
「分かった。一生の宝物にするよ。」


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