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シーン45

シーン45   11月17日 14:25

AKB48劇場には秋元康と選抜を中心としたメンバーが来るステージのチェックを
行っていた。青島と増山が劇場に飛び込んでいく。
「ちょっと。困りますって。関係者以外立ち入り禁止なんですから。」
「あ、いいんだ、君。その方々は。」制止しようとしたスタッフに秋元が声をかける。
「どうしました?そんなに慌てて犯人でもつかまりましたか?」
秋元が観客席最前列に座ったまま二人に振り向く。
「ええ。先ほど自首するとの連絡が入りましたよ。うっちーからね。」
青島の言葉にメンバーから小さな悲鳴のような声が上がる。
「そうでしたか…で?内田は捕まったんですか?」秋元の表情が一瞬曇った。
「秋元さん…俺はアンタに聞きたい事…いや、言いたい事があってここに来たんだ。
うっちーとすみれさ…恩田刑事はどこだ?なぁ、秋元さん。わかってるんだよ。
この事件、アンタが絡んでるって事は。俺はアンタから真実を聞きたいんだ。」

青島の言葉にも秋元の口調は変わらない。
「真実ですか?おや、それは私の方が聞きたいですね。」
「秋元さん、アンタ、今までその子達の一番近くにいて、何を見てたんだよ?
本当にうっちーが一人で仕組んでこんな事をやれるとでも思ってるのか?
秋元さん、もうわかってるんだ。アンタがなんでこんな芝居を打ったのか。
そして金をどこへ流そうとしてるのか。秋元さん、アンタ色んな力を使って
俺たちを操作から遠ざけようとしたみたいだけど、俺たちのトップは俺たちを
信用して、そして俺たちのこれまで流した汗を無駄にしないよう立ちあがってくれた。
俺たちを守ろうと腹をくくってくれた。もうすぐに、俺たちの仲間がこの事件の
裏に流れてたものを見つけてくるさ。なあ、秋元さん、アンタが守らなくちゃ
いけないのは、自分の名誉か?金か?地位か?違うだろ?アンタが守らなくちゃ
いけないのはここで頑張ってるメンバー達じゃないのか?」
秋元は青島の言葉を黙って聞いていた。


「秋元さん。あなたと暴力団幹部そして警察官僚との関わりについては、今捜査員が
出てきた証拠を固めている所です。間もなく逮捕状も発行されるでしょう。」
青島と増山が劇場入り口を振りかえった。室井の姿がそこにあった。
「恐らくあなたが今回の事件を利用して行おうと考えたのは、逆マネーロンダリングと
いったところでしょうか。秋元さん…あなたはなんとかして、メンバーを守ろうと
したのかもしれない。しかし、それは真に彼女たちの事を思っての事だったのですか?」
室井が静かに秋元に訴えかける。

「秋元さん!頼む。今ならまだ間に合う。二人はどこにいるんだ?早く助けなきゃ…
こんな事で殺人まで犯す必要がどこにあるんだ?」青島の声が大きくなる。
「殺人?」高橋みなみが驚きの声を上げる。
「そうだ。二人は今爆弾を前に監禁されているんだ。」増山が高橋に答えた。

「刑事さん…うっちーと恩田さんは、長野県の富士見高原のロッジにいます。
私がご案内します。」はっきりとした口調で言ったのは、柏木由紀だった。
「そもそも、こんな事になったのは、秋元先生が私の事を守ろうとしてくれたからなんです。
私の過去のプリクラ写真が流出するのを防ごうとして…」
「ゆきりん。それは違うよ。私の補導歴の事を隠そうとしてくれたんだよ。」
板野友美が言う。
「それを言うなら…」メンバーが口々に話を始める。

「秋元先生、本当にすみませんでした。でも、私たちやっぱり間違ってます。
正々堂々と事実に向き合うべきなんです。実際、そうして過去と向き合ってる
メンバーもいるじゃないですか。それで人気が落ちたっていい。
私たちにはここが…劇場があるじゃないですか。また観客7人のあの日からもう一度
スタートすればいいだけなんですから。」
高橋が言った。涙はない。まっすぐに前を向いたままだ。

「青島!すぐに長野へ向かえ。万世橋署の屋上にヘリを用意してある。
ゆきりん…こいつ等を案内してもらえるかな?」室井が言った。
「ゆきりん、行こう!」青島が柏木の手を取って駆け出した。
「おい、ドサクサに何をやってるんだ?」増山が青島の手を払いのけて一緒に駆け出した。
「あい、増山。そういや…室井さん、ゆきりんって…」
「ま、そういうことだろう」
二人は顔を見合わせて笑った。

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