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「え?なにこれ。すっごい~。これ集めてくれたんだ?」
玲奈の隣に座ったまなつが嬉しそうに笑顔で頷く。
小さな手で大切そうに1ページ1ページめくるアルバムには、びっしりと玲奈の生写真がストックされていた。

「この子、本当に玲奈さんが大好きで。大好きで。アニメの代わりにSKEのDVDをせがまれて、絵本の代わりに玲奈さんが出てる雑誌をねだられて…もう、お部屋じゅう玲奈さんだかけなんです。」
「ありがとうございます。なんか、嬉しいです。こんなに熱心に応援してくれてて…ありがとね。まなつちゃん。」

憧れの松井玲奈が隣にいる事にまだ実感がわかないのだろう。
まなつの顔には、まだ夢見てるような表情があった。

「でも…玲奈さん、大丈夫なんですか?過労で倒れたってニュースでは…この病棟に入院されてるって事は…」
「ごめんなさい。でも、大丈夫です。名医がきちんと診てくださってますので。それより…まなつちゃんの方が…まだ小さいですよね?」

まなつは、ずいぶん長くこの病院に入院していた。
偶然にも、玲奈と同じ拡張型心筋症であるとの事だ。
玲奈が聞いたとおり、この病気ではこの病院が国内最高峰だそうで、院長は世界有数の名医とされている。その評判を聞いて、この病院を頼って、九州から遥々やって着たとの事だ。

「そうだったんですか…でも、まなつちゃんも…あの、手術とかの予定はないんですか?この病院は、その辺りのマッチングがすごいって聞きましたけど?」
「玲奈さん、お詳しいんですね?」
「え?ああ…実は、私もまなつちゃんと同じ病気なんです。」

「そうなんですね…ええ。もちろん、この病院を選んだのは移植実績が豊富って事が一番です。でも…まなつは…」
「まなつね。OがたとかAがたとかがいっぱいあるの。だからね。いしょくができないんだって。」

玲奈がまなつの顔を驚いた表情でみた。
すぐその視線を母親に向ける。
母親は黙って頷いた。

「幸い、金銭的には問題はないんです。主人は九州で手広く事業を行っておりますし。ただ、娘はすごく稀な血液型でして…」
「ボンベイ・ブラッド…?」
玲奈がその単語を発したことで、母親は驚いたようだ。
「それもご存知なんですか?」


ご存知もなにも…
持っている病気も、血液型の特質も…
何もかもが同じだ。

こんな小さな身体で、同じ苦しみをこの子は背負っているんだ。
でも、先生は適応するドナーはすぐに見つかるとおっしゃっていた。

私が助かるなら。
この子も大丈夫に違いない。

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Comment

No title

こ、これはヤバい。(^^;)
嫌な予感しかしない…。

主人公のエゴイズムが魅力的でありながら不気味でもあります、デスノートの夜神月みたいな奴だと思って読んでます。(笑)

2013.12.20 (Fri) | 凛九郎 #- | URL | Edit

No title

>>凛九郎さん

へへへっ
悪者ですよ~
主役が悪者って初めて書く気がするんですけど。

なかなか楽しいですw

2013.12.20 (Fri) | 四谷 #mQop/nM. | URL | Edit

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