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シンデレラは魔法の力で馬車に姿をかえたかぼちゃに乗ってお城の舞踏会に行った。
ドレスも、馬車使いもみんな魔法の力だ。

今僕の前にあるいくつものドアは、元はダミーだ。本物のドアではない。僕にも使える魔法がある。
ドアを守っている門番を倒し、かかっている鍵をこじ開ける為の呪文なら、いくつでも知っている。
しかし、偽者のドアに呪文を唱えてもドアは開かない。

なら…魔法を解けばいい。
なんで、こんな簡単な事に気づかないんだ?
魔法にかかってるかぼちゃを元に戻す呪文を探すより、そっちの方が全然楽だ。
シンデレラだって12時を過ぎたら魔法が解けたじゃないか。

「魔法を解くって?」
「うん。元の姿に戻してあげるだけなんだけどね。」
「どうやって?」
「えっとね。このトリップは、忍び込もうとすると、あなたさっきもこのドアの前に来ましたよ。正解は違う場所にありますよ。って言われちゃうってものなんだ。実際は、別のドアの前にいるのにね。難しいかな?」
「ううん。なんとなく分かる。」
ゆりあ、僕の説明にうんうんと頷きながらモニターを凝視した。
お馬鹿って言われてるけど、本当は頭の回転のいい子なんだ。

「まずは、これだよ。」
モニターの前に重厚なドアのアニメーションが現れた。おもちゃの衛視の姿も5体ほどある。
「実際は、こんな可愛らしい感じじゃないんだけどね。分かりやすいようにしてみた。コレが今僕が作ったドアだよ。もちろん、まだ魔法はかかっていない。」
「これ…にも魔法をかけるの?」
「ピンポン。正解。」
「どうやって?魔法の呪文わかってるの?」
「いや、それがわかってるなら話はもっと簡単なんだけどね。」

僕はゆりあに笑顔を見せた。余裕の笑み…ゆりあにはそう見えたのだろう。
「ねえ。もったいぶってないで教えてよ~。意地悪なんだから。」
「ごめんごめん。秘密のおまじないがあるんだよ。痛いの痛いの飛んでけ~っていうのと同じくらい、すっごく効くおまじない。」
「おまじない?」
「そう。聞いた事ない?右クリックぅ~コピー&ペーストっ!って。」

実際は、そんな簡単な作業ではなく、複雑なコマンドを叩き込む必要があるのだけど…僕が作ったドアは、あっという間にダミーのドア達の「クローン」へと変わった。

「さあ。魔法を解くよ。」
ゆりあが頷いて息を呑む。ごくんと唾を飲み込む音がした。
「インフルエンザかな?O157ってのは大げさかな?まあ、この際だ、飛び切り感染力の強いヤツにしとくか。」
僕は、自分が作ったドアにウイルスを放出した。

「え…なに?コレ。ドアが…どんどんかぼちゃに変わっていくよ?」
「分かりやすいように、かぼちゃのアニメーションにしたよ。みんな悪い病気にかかったんだね。魔法を維持するには、宿主にも体力が必要なものなんだよ。最後に残ったのが…本物だ。」

おびただしい数のかぼちゃが画面を埋め尽くしていった。
数分たった頃だった。その変化が一つのドアの前で止まった。

「ビンゴ。コレだ。」

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