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ヘッドフォンから聞こえてくる声が段々小さく…遠くで聞こえるようになってくる。
これじゃダメなんだ…本当は話の内容がどんどん心に響いてこなきゃ…
隣のブースで、同じようにヘッドフォンをして大きなモニターに映し出される映像を見てる柴田阿弥の顔を横目で見た木崎ゆりあは小さくため息をついた。
夢見るように…そして、何かを決意するかのような力強い視線。きっと、あれが正しい「あるべき姿」なのだろう。

多分、私はすごく周りの大人達に期待されていたんだと思う。
ゆりあがその事に気づいたのは、SKEに入ってすぐの頃だった。
一早く研究生の中からエリート集団のチームSに入れた。
同期のゆっこと須田ちゃん。3人でもがきながら一生懸命ついていこうと頑張ってきた。
特に須田ちゃんの事をむちゃくちゃ意識してた。須田ちゃんは、自分だけの力でどんどん周りから認めてもらえるようになっていった。先に18歳になってた須田ちゃんからは、色んな話を聞いていた。私達がなぜ、SKEとしてファンに夢を与える仕事をさせてもらえているのか。そして、その役割…須田ちゃんは、良くその事を「任務」って言ってるけど…の大切さ、その仕事に関われる事がどれだけ誇らしくって幸せな事かって事をいつもいつも聞かされてた。だから、そんな須田ちゃんみたいに、18歳になったら、もっともっと輝ける…そう思ってた。

くーちゃん…
小木ちゃん…

二人とも今どこで何をしてるんだろう?

大好きな二人がいなくなってもうどれくらい経ったんだろう?
いつの間にか、その長さを感じられなくなっていた。

SKEを辞めていった子との関わりは大きく二つに分かれる。
芸能活動を続ける子とそうじゃない子だ。
矢神久美と小木曽汐莉は後者だ。人気絶頂の時にむしろ潔い程あっさりの芸能活動から身を引いた…
と、世間では思われている。

ゆりあはもう知っている。きっと、二人は「離れていった」んだろうと。
噂では、玲奈さんの卒業もそうなんだって聞いた。

ゆりあは知っている。
多分、二人とだけでなく、玲奈ともそうだ。
二度と会える日が来る事は無いんだって事を。

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