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「おはようございます。昨日はご馳走様でした。」
今日も正美がコーヒーカップを二つ手にして僕のデスクまでやってきた。
「ああ、おはよう。大丈夫だった?そうか、こうしてちゃんと出社してるって事は、無事に家まで帰れたって事だよね。昨日と洋服も違うし。」
「大丈夫?は先輩の方ですよ。もお…なんか静かだなぁと思ってたら、寝ちゃってるんですもん。先輩って、あんまりお酒強くないんですね。」
「いや…君が強すぎるんだよ。」
僕はそう言って笑った。正美も仕方ないなあといった表情で笑顔を見せる。
良かった…どうやら、酔い潰れたふりをしたのはばれていないらしい。
でも…きっと僕はずるいんだろうな。正美の気持ちを受け止めるのが出来ず、ただ逃げただけなんだ。
本当はちゃんと向き合って、しっかり断るべきなんだ。

そう、僕はいつまでたっても、こんな風に大事な事に背を向けて生きていくんだろうか。

「あれ?まさか、先輩また名古屋行くんですか?」
正美が僕のデスクのモニターに目をやって言った。
「おお、そうなんだよ。今度はKII公演当っちゃってさ。」
正美から受け取った熱いカフェラテを口に運びながら僕は答えた。
「ええええええぇ~何ですか?ソレ。私なんて、まだ一回も当ってないんですよ?劇場公演。E公演は毎回申し込んでるのに。先輩絶対くじ運良すぎですよ。」

確かに。こないだから、ラッキーが続いている。
特にKII公演は、ある意味今一番見たい公演だったし。

明後日急に休みを取るから、忙しくなる…
そう言って僕は正美との話を打ち切った。

「また飲みにつれて行ってくださいね。」
そう言う正美には、曖昧な笑顔を返す事しか出来なかった。
「そうだな。あ、そうだ、例の件の設計書の草案、君にチェックを頼まれていたヤツ。まだ見れてないんだ。明後日は日帰りで戻ってくる予定だから、その次の日…金曜日にレビューしようか。」
「お願いします。」
正美はそう言って笑顔で軽く頭を下げた。

しかし、僕の職場離脱は1日だけでは終わらなかったんだ。

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