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「あ…こんにちは。ゆりあ…ちゃん…」
「あ、こんにちは。美宥…さん…」

変なトコで会ったね…そんな顔で二人は顔を見合わせた。
AKB48チームBの竹内美有と木崎ゆりあは、慶応病院の別館廊下で一緒になったのだ。

「あ…」「あの…」
同時になにかを話しかけようとして、思わず二人はくすっと笑い声をたてた。
「ねえ、ゆりあちゃん、今日って?」
「ええ。一緒ですよね。多分。ワタシ達同い年ですよね?」
「うん。ねえ、敬語やめない?なんか、変なカンジ。」
「わかった。だよね~そんな気がしてた。」

ゆりあがにっこり笑って、手に持っていたクッキーを一つ差し出す。
「美宥ちゃんも注射と検診は終わったんでしょ?もう食べてもいいよね?」
「うん。ありがと。そういや、さっき穴井ちゃんと、荻野さんも来てたよ。午前中の組だったみたい。」
「あ~そういや、おぎりー今日って言ってたなぁ。穴井ちゃんって、HKTの?そ~かあ。キャップも18歳なんだ。」
「他にも何人かいたみたい。ねえ、ドキドキするよね?いよいよだもんね。」
美宥がつぶらな瞳をキラキラさせて言う。ゆりあは一瞬返事に詰まってしまった。
可愛い…すっごく笑顔が輝いてる。同い年なんだよね…
そうか…そういや、おぎりーも昨日言ってたなぁ。なんかワクワクしますねって。

「美宥ちゃん、ワタシ達、今度の握手会がね…」
「そーだよね。ワタシ最初握手会苦手で~…上手くファンの人に笑顔向けれなかったの。だから、全然一次も取れなくって。ゆりあちゃんは、そんな事ないでしょ?人気あるもんね。可愛いし。笑顔も素敵だし。」
「そんな…ワタシの笑顔なんて…」
「でもね。最近…そんな事なくなってきたの。湯浅さんにも言われるんだ。美宥、ようやく18歳直前で自覚が出来たんだなって。めでたいって。」
「湯浅さん?」
「そう、すっごいイイ人だよね~湯浅さんって。」

やっぱり、普通はそう思うんだよね。うん。
自覚か…
やっぱりワタシって出来ないコなんだよな。
須田ちゃんには止められたけど、ここにいる資格がないのかもしれない。

「ワタシね…」
美宥がすっと真面目な顔になってゆりあに向かって語り始めた。
「ずっとずっと、誰かの役にたちたい。何か自分じゃなきゃ出来ない事をしたい。そう思ってたの。でもね、なかなか何をすればいいかが見つからなくて。15歳の時にAKBに入ってからも、先輩達がとても一生懸命、使命感に燃えて頑張ってる姿を見て、自分って何も出来ない情けない子なんだって。でも、これからは頑張る!ワタシだってやれる事があるってわかったんだもん。」
美宥の視線はまっすぐだった。ゆりあは一瞬、その真っすぐさに吸い込まれそうになった。

美宥ちゃんって、本当に真面目なコなんだ。
それに比べてワタシって…

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