スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

52

「なんであの場で俺が暗躍したのかを暴露しなかった?お前の事だ。もう掴んでいるんだろう?」
誰もいなくなった会議室。大和田が力無く椅子に座ったまま大和田が半沢に聞いた。
「大和田…さん。もうあなたは全てを失った。最後の希望まで奪おうとは思っていない。」
「随分と…優しくなったものだな。」
「あなたの為ではない。夢を見る事の素晴らしさに、余計な助けは無用だという事だ。」
「そうか…しかし、歳がいってからの子供っていうのは可愛くてたまらんのだよ。そんな娘が、小さい頃からの夢が叶ってアイドルグループの一員になる事が出来た。そんな時だ、秋元から声がかかったのは。協力すれば、娘を全面的に推してやる…そう言われたらな…」
「その話、あなた方の言葉で言うと、何の証拠もないんでしょう?」
「ああ。ただの口約束だ。もっとも、最初からその気なんて無かったのかもしれんがな。」
「だったら、私が公言しなければその理由は永遠に闇の中だ。勘違いしないで欲しい。あなたの為ではない。実は家内が研究生推しでね。家内が言ってましたよ。大和田さん、あなたの悪だくみなど無くとも、娘さんは間違いなく将来のAKBを背負って立つ逸材だと。」

半沢がそう言って会議室を後にした。



「まったく相変わらず無茶ばかりする男だ。言ったはずだ。やり過ぎは良くない…と。」
「は。恐縮です。」
「まあいい。とにもかくにも、事態は最悪の状況を脱したのだからな。AKSの経営状態が急改善したのも、君が残した経営体制が機能しているという事だからな。丸八会の会員企業が軒並み当行をメインバンクに切り替えてくれたのも、まあ君の功績と言っても良いだろう。」
東京中央銀行の頭取室。中野渡頭取直々の呼びだしに、半沢はやや緊張した面持ちで臨んでいた。
思えば、この場で東京セントラル証券への出向を言い渡されたのが、今回の一件に関わる事の始まりだったのだから。

「実は君に銀行に戻ってきてもらおうと思ってね。どうだろうか?まだ東京セントラルでやり残した事もあるんだろうが…」
「は…光栄です。粉骨砕身の覚悟で臨む所存であります。」

53 | Home | 51

Comment

Post comment

Secret

Page top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。