スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

50

「あ…半沢さん、呼んでるよ。私達の出番じゃない?」
「そ…そうですね。じゃ…じゃあ、いきまぴょう…」
「やだ、あかりん。噛まないでよ。私もきんちaiehfg:」

「はははは。お二人の出番はもうちょっとだけ先ですよ。もうちょっとここで見物しててください。私がステージを温めておきます。芯打ちは最後に登場しなくちゃ。」
「は…はい。社長…よろしくお願いします。」

「では、皆さんに紹介しましょうか。大和田さん、あなたも良くご存じの方だ。」
「失礼します。お久しぶりです。大和田常務…いえ、取締役でしたね。これは失礼。」
現れたいかにも青年実業家といった風貌の男が、爽やかな笑顔をたたえ半沢の隣に立った。
「こちらは、旧社名伊勢島ホテル。このたび、社名変更して伊勢島R&Eとなった企業の代表取締役の湯浅威氏です。図らずもこちらに二人の湯浅氏が顔を揃えた事になりますね。」
「湯浅社長…あなたがどうしてここに?」
「半沢さん…説明をお願いして宜しいですか?」
「かしこまりました。」

「このたび、伊勢島R&Eの湯浅社長を筆頭とした投資グループは、株式会社AKSの経営権取得を目的とした、敵対的株式公開買い付けを行う事をご報告いたします。暴落した株価の影響で恐らく取得価格はかなり低く抑えられると考えております。株式取得とともに経営再建策についても時を置かず実施致します。証券取引法違反による影響は大いにあると考えますが、経営陣を刷新する事で市場の評価は必ずや、得られるものと確信しております。」
「ちょっと待て…経営再建?粉飾に粉飾を重ねなくてはならなかったAKSの経営をどう立て直すと?」
「そこからは、私がお話しましょう。」
大和田の問いに湯浅威が立ちあがった。

「私ども、伊勢島ホテルは以前、巨額の運用失敗による経営危機に瀕しておりました。しかし、外資資本との提携や徹底したサービス品質の向上策を愚直に行う事で、経営再建を果たす事が出来ました。ここにいる、半沢さんのご尽力のおかげです。私は、半沢さんに大切な事を教わりました。企業の財産は人である…と!」
湯浅の声が徐々に熱を帯びていく。
「ここまでAKSを大きくしてきたのは、あなた方だ。その点は敬服に値します。しかし、人を人とも思わないやり方…私は決して許さない。」
「待て…待つんだ。確かに伊勢島は今や、健全経営で市場の評価も高い企業になった。しかし…芸能関係は素人だ。幾らファンドの出資者が集まったとしても、経営自体、話が別だ。素人がやっていける程、この世界は甘くないぞ。私は…メインバンクの役員として、承認する事など出来ない!」

「大和田さん。ご高説はごもっともだ。確かに湯浅社長は芸能関係には素人だ。しかし…人を鋭く見抜く目は間違いの無い方だ。あなた方と違ってね。」
湯浅がもう一人の湯浅の方へ視線をやった。気弱な顔をし続ける湯浅洋の方をだ。
「湯浅さん…一緒にやって頂けますね?」
「微力ではありますが、全力を尽くします。」
二人の湯浅ががっちりと握手した。

51 | Home | 49

Comment

Post comment

Secret

Page top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。